貝原益軒の養生訓を読んで

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江戸時代の儒学者、貝原益軒(かいばらえきけん)氏の健康指南書を読みました。約300年も前の書物が現代版で気軽に手に入ることに感謝。

養生とは簡単に言うと「健康になるための法」。

こちらの著書の重要な文面を抜粋します。是非参考にしたいですね。あらゆる考え方や生活習慣、食べ物、簡単な健康体操、人間関係、を養生の観点で細かく書かれています。

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内欲と外邪と

養生の術は、まず自分のからだをそこなう物を遠ざけることである。からだをそこなう物は、内欲と外邪とである。

内欲というのは、飲食の欲、好色の欲、眠りの欲、しゃべりまくりたい欲と、喜・怒・憂・思・悲・恐・驚の七情の欲のこと。

外邪とは天の四気である。風・寒・暑・湿のことである。内欲をこらえて少なくし、外邪をおそれて防ぐのである。

こうすれば元気をそこなわず、病気にならず天寿を保つだろう。

心を安らかに

心はからだの主人である。この主人を静かに安らかにさせておかねばならぬ。からだは心の下僕である。動かしてはたらかさねばならぬ。

心が安らかで静かだと、からだの主人たる天君はゆたかで、苦しみなく楽しむ。からだが動いてはたらけば飲食したものはとどこおらず、血気はよく循環して病気にならない。

人の命は

天地の年齢は北栄の学者の説によると一二万九六00年を一元といい、いまの世はもう半分を過ぎたそうである。まえに六万年あり、あとに六万年ある。

人は万物の霊である。天地人をいっしょにして三才というが、人の命は百年にも及ばない。天地の命の長いのに比べると、千分の一にも足りない。

天は長く地は久しいのに、人の命がなぜこう短いのかと思うと、身にしみる悲しみに涙がこぼれてくる。

こんな短い命を持ちながら、養生の道を行わないで、短い天寿をいよいよ短くするのは何としたことか。人の命は至って重い。道にそむいて短くしてはならぬ。

一日を慎む

古い言葉に「日に一日を慎む。寿(いのちなが)くして終にわざわいなし」とある。

その意味は一日一日をあらためて、朝から晩まで毎日慎めば、からだに過ちがなく、健康を害せず、長生きして天寿を終るまで不幸がないということである。これがからだを保つ要道である。

予防をしておけば

病気のない時に、予防をしておけば病気にならない。病気がおこってから、薬を飲んでも病気ははおりにくく、なおるのもおそい。

小欲を慎まないと大病になる。小欲を慎むのは容易である。大病になってしまうと苦しみが多い。前から病苦を想像して、あとの禍を恐れることである。

気を散らさぬ

年をとったら、自分の心の楽しみのほかにさまざまなことに気を散らしてはいけない。時にしたがって、自分で楽しまねばならぬ。自分で楽しむというのは、世俗の楽しみとは違う。

自分の心のなかに本来ある楽しみを楽しんで、胸中に一物一事のわずらいがなく、天地春夏秋冬、山川のよい眺め、草木の成長の喜び、これみなわが楽しみでなければならぬ。

おわりに

いかがでしたでしょうか。こちらの著書は一般向けということもあり誰でも簡単に読めるとおもいます。気になった方は全文を読みましょう。

昔からある医書、養生書、予防医学書などは現代にも多く通ずるものがあります。

病気になったら西洋医学に頼るのは大事です。しかし病気になる前に東洋医学の考え方で養生するのが日本人には合っていると思います。

東洋医学には病気の概念がそもそもないのですが・・・

最後までご覧いただきありがとうございました。

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